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【特別取材】印象派の巨匠「ルノワール」の曽孫、ソフィー・ルノワールさんのパリ生活

2022.10.18

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巨匠の曽孫ソフィー・ルノワールさんのパリ生活

愛犬マローンとソフィーさん。マローンは作品《舟遊びをする人々の昼食》に描かれている黒い犬を思い起こさせます。

代々受け継がれるエスプリ


常緑樹や花木が植えられた庭に面した広いリビング。そこにはソフィーさんが撮った2人の息子、長男のアレクシさんと次男のジェレミーさんの写真やルノワール作の彫像、ルノワールを支えた大画商アンブロワーズ・ヴォラールの作ったオリジナル・カタログ、美術書などが無造作に飾られ、知的な薫りのする居心地のいい空間となっています。


ソフィーさんのそばには、まるでぬいぐるみのような可愛らしさの愛犬マローンがいつもいて、ご主人さまの行動を見つめています。この愛犬マローンは、ルノワールの有名な作品《舟遊びをする人々の昼食》に登場する黒いワンちゃんにそっくり!

巨匠の曽孫ソフィー・ルノワールさんのパリ生活

ルノワール作《舟遊びをする人々の昼食》
セーヌ川のほとり、シャトゥにあるレストラン「フルネーズ」の2 階のテラスが舞台。登場人物はルノワールの友人や知人で、左下で犬と向き合う女性はのちにルノワールの妻になるアリーヌ。右下の男性は画家のカイユボット。人生を謳歌する様子が描かれる。©UIG/amanaimages

「そうなんです。この絵の中には曽祖母のアリーヌが描かれているのですが、アリーヌと黒犬が戯れていて、その犬にとても似ているでしょ!」といい、ソフィーさんもマローンに頰ずりをします。「曽祖母は、画家であるルノワールの仕事を深い愛情で支えた素晴らしい女性だったと思います」

ルノワールの作品でいちばん好きなものは?と尋ねると、「ラ・ヴァーグ(波)」(下を参照)と即答。

巨匠の曽孫ソフィー・ルノワールさんのパリ生活
左・1879 年に制作された《波》。北方の海の荒々しい波を表現したもので、その色彩や筆遣いに魅了される。2点ともソフィーさんが愛するルノワール作品。©World History Archive / TopFoto/amanaimages 右・ルノワールが手がけた「ダンス」3部作の一つ《田舎のダンス》。女性のモデルは、ソフィーさんの曽祖母のアリーヌ。男性はルノワールの友人アンドレ・ロート。©UIG/amanaimages

「ルノワールの作品の中で唯一、荒々しく力強い、現代的な動きのある作品です。ふだん見慣れない色づかいも素敵で、とても好きな作品。実際にシカゴ美術館で、本物の作品を見たことがあります」と目を細めます。

ルノワールといえば、“幸福の画家”と称され、家族の肖像画や注文によって制作された肖像画、室内装飾画、女性像など人生を楽しむ人々の姿が描かれたものがたくさんあります。

「どの絵も見るたびに心に響き、いつも楽しい気持ちになります。ルノワールの作品にはそんな魔法のような力がありますね」とソフィーさん。
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