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真っ赤な花が浮かぶように咲く「ルコウソウ」。育てやすく、緑のカーテンにもなります

2022.08.13

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

ルコウソウ



ルコウソウ

繊細でやわらかな印象の葉を背景に、真っ赤な星形の花。この景色を見つけるとウキウキした気分になります。


■属科・タイプ:ヒルガオ科の一年草
■花期:7月中旬〜10月中旬
■草丈:2〜3m(つるの長さ)

明るい葉色に真っ赤な花。グリーンカーテンでも見かけます



真っ赤な花は星のような形で、初めて見た瞬間から「かわいらしい!」と大好きになった花です。気をつけて見ていると、外周りのフェンスにつるを絡ませて咲かせているお宅や、空き地でも咲いていたりするので、散歩中に見かけることもたびたび。花径2cmほどの小さな花なので見逃しがちですが、夏中咲いているので探してみてください。

ルコウソウは英名のサイプレスバインで出回ることもあります。サイプレスとはヒノキ科の常緑針葉樹の総称。バインはつる性を意味するので、針葉樹のような繊細な葉をしたつる性植物という意味になります。たしかに深い切れ込みの入った葉は繊細ですが、針葉樹と違いとてもやわらかく、明るい葉色も魅力的です。この葉を背景にするからこそ、真っ赤な花がよく目立ち、しかも軽やかに浮いているように感じられるのだと思います。

長く伸びるつるを利用してグリーンカーテンに仕立てているお宅も多く、アクセントのように赤い花が飛ぶように咲く光景はなかなかかわいらしくしゃれています。本来は宿根草ですが、耐寒性が弱いため一年草として扱われます。

ルコウソウの仲間にマルバルコウがあります。名前のとおり葉が丸みのあるハート型なので、花はよく似ているものの、株全体の姿は異なる雰囲気に見えます。マルバルコウは日本各地で野生化していて、私がよく利用する高速道路の出口ではこんもりと山のように育っているのを毎年見かけます。生育力がとても旺盛なので、畑のそばで育っていると迷惑がられることもしばしば。マルバルコウの濃いオレンジ色の五角形の花もとてもかわいらしいんですけれどね。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

初夏に苗も出回りますが、タネからの栽培も比較的容易にできます。タネまき適期は5月〜6月中旬。肥沃な土壌を好むので、植えつけ時に元肥として緩効性肥料を混ぜておきます。終わった花をそのままにしておくとタネがつき、そこでおしまいになります。次の花の開花を促すためには、花がらをこまめに摘み取ることが大切です。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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