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女性の発症率は男性の3倍。「関節リウマチ」とは?こんな症状があれば早期に受診を

2022.04.07

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専門医に聞く 今、気をつけたい病気 第4回(01) 30〜50代で発症し、関節の痛みや腫れ、全身の炎症が起こる関節リウマチ。早期発見・早期治療が鍵になります。その症状や診断、治療について、京都府立医科大学の川人 豊先生に解説していただきます。
〔解説してくださるかた〕川人 豊(かわひと・ゆたか)先生
川人 豊先生

京都府立医科大学 膠原病・リウマチ・アレルギー科 病院教授。1987年島根大学医学部卒、1995年京都府立医科大学大学院で博士号を取得後、米国国立衛生研究所リウマチ部門に留学。2001年から京都府立医科大学大学院生体機能制御学教室、免疫内科学教室に勤務し、2011年に教授(学内)、翌年から現職。日本リウマチ学会指導医、同学会RA治療薬ガイドライン小委員会委員長、日本臨床リウマチ学会評議員。

関節の炎症が進行し、関節が動かせなくなることも


関節が痛み、動かしにくくなる関節リウマチ。症状が主に出るのは手の近位指節間関節と中手指節関節、足の中足指節関節、手首周辺の骨です(下図参照)。


最初は、朝の手のこわばり、関節の痛み、動かしにくさで自覚することがほとんどです。進行すると関節(骨)が破壊され、軟骨も消失して骨化し、関節が固まって動かなくなっていきます。




関節リウマチが起こる関節と合併症


関節リウマチが起こる関節と合併症
関節リウマチ

ふだんからよく使う関節が冒され、日常の動作がしにくくなるほか、内臓や血管、神経、皮膚にも病変があらわれる。





関節リウマチは30〜50代で発症しやすく、女性の発症率は男性のおよそ3倍で、年齢が上がると男女差は縮まります。

日本リウマチ学会の関節リウマチ診療ガイドラインの作成委員長である、京都府立医科大学の川人 豊先生によると、「双生児の研究などから関節リウマチの発症に関して遺伝の影響は3割程度と見積もられています。親や祖父母、兄弟姉妹に発症者がいる場合には発症率は上がることも知られていますが、必ず発症するわけではありません」とのこと。

喫煙が発症の背景にあることは明らかになっています。歯周病の関連も濃厚です。

「細菌感染によって関節炎が起こることがある、歯周病菌が関節リウマチで検査される抗CCP抗体の発見に関与する、歯周病を治療すると抗リウマチ薬の効果が上がるといったことがわかっています。また、大気汚染との関係も疑われています」と川人先生。

関節リウマチが気になるなら、学会の専門医を受診


関節リウマチの本質は後で述べるように自分の体を自分で攻撃する自己免疫による関節の炎症です。ただ、その影響はほかの臓器にも及ぶため、全身性の慢性炎症性疾患とされます。

「早期発見・早期治療によって関節の破壊や合併症を抑えられます。症状に気づいたら、早めに診察を受けてください」と川人先生は強調します。

関節リウマチの診断・治療を得意とするのは、日本リウマチ学会が認定している内科や整形外科の専門医です。症状が出ている部位に応じて他科に紹介されます。

内科と整形外科などが連携して関節リウマチを総合的に診療するリウマチセンターを設置している病院もあります。同学会のホームページでは都道府県別に専門医を検索できます。

関節リウマチの主な症状


●朝、起きたときに手がこわばり、動かしにくい

●両側の指や手、足などの関節が腫れて痛い

●関節が動かしにくく、力を入れにくい

●肘や膝、手指関節の周囲の皮下に米粒から大豆くらいの大きさの弾力性のあるしこりがある

●微熱が出やすく、だるい

後編:内臓や血管の合併症も引き起こす「関節リウマチ」。その治療法は?
イラスト/にれいさちこ 取材・文/小島あゆみ

『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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