【4月の食養生】
◆慢性疲労ににんにくの味噌漬け
胃腸の消化機能の衰えや慢性的な疲労感を和らげる常備菜です。ただし緑内障、白内障など眼病のある人は量を控えめにしましょう。
<作り方 4人分>
(1)にんにく(中5個)をばらして皮をむく。蒸し器で15分蒸し、冷ます。
(2)味噌(150グラム)を酒(大さじ2)とみりん(同)でのばし、保存容器に入れ(1)を漬ける。
約1か月漬けておくとにんにくの臭みが抜け、食べやすくなる。
◆脂っこい食事はプーアール茶と
脂肪分の多い中国料理やステーキなどを食べるときは、プーアール茶やウーロン茶を一緒に飲むのがおすすめです。摂取した脂肪分を体外に排出してくれる作用があります。
◆疲れがとれないときは山芋
山芋は漢方薬の生薬「山薬(さんやく)」としても用いられ、滋養強壮効果が期待される食材です。疲れがとれないとき、とろろにしたり、小さく切ってスープやおかゆに入れるなど食事に取り入れるとよいでしょう。
【漢方薬局だより】
季節の養生法のよりどころ、「五行説」とは?漢方相談に訪れる患者さんに、季節ごとに起こりやすい症状や養生法などを説明するときよりどころとなるのが「五行説」。自然界のすべてのものに「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)」の5つの要素を見出し、それぞれが互いに助け合ったり抑制し合う関係にあるとする、中国医学の基本となる思想です。
この5要素ごとに対応する季節、臓器、病変の起こりやすい部位、感情の変化など重要な項目を経験的に分類した表を「五行色体表」といいます。
それによると五季(春夏秋冬に土用を加えた5つの季節)の「春」は「木」に属し、同じ「木」には五臓の「肝」、五根(病気の表れやすい場所)の「目」、五志(病んだときの感情変化)の「怒」、五味の「酸」などが属します。
つまり春には“肝が影響を受けやすい。目の病気になりやすい。病んだときは怒りっぽくなり酸っぱい味を好む”と読み解くことができます。
〔解説してくださったかた〕横浜薬科大学特任教授・薬学博士 漢方平和堂薬局店主 根本幸夫先生1947年生まれ。69年東京理科大学薬学部と東洋鍼灸専門学校を同時に卒業後、さらに鍼灸と中国医学を学ぶ。「普段の生活こそが治療の場」をモットーに、漢方平和堂薬局(東京都大田区)では多くの人々の健康相談にのり、養生法をベースに漢方薬処方を行っている。横浜薬科大学特任教授を2022年3月に退官。役職多数、著書多数。 撮影/本誌・武蔵俊介 イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。