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希望に満ちた植物の力。吉永小百合さん、志村洋子さん「五島の椿に魅せられて」

2022.03.17

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「動かないこと」も植物のすごさの一つ


吉永 洋子先生は常々植物の持つ力のことをおっしゃっていますね。

志村 現代人は忘れがちですが、我々日本人はもともと木の家に住み、植物からできた紙で襖や障子を作り、たくさんの種類の植物を食糧としてきました。もっと植物に包まれて生きてきたことを思い、植物の神秘性を大事にしたいと思いますね。

吉永 神秘という言葉で思い出すのが、利尻島で伺った藍を建てるときのお話です。「新月のときに仕込んで、満月のときに染めるときれいに染まる」と聞き、ぞくぞくっとしました。人間と自然、宇宙はつながっているのだと、心が震えました。


志村 おっしゃるように、すべては関係しています。ですから、最高の色を求めるなら、天体の運行も考慮に入れる必要があるのです。もう一つ、植物についてお話ししておきたいのが、「動かないこと」のすごさです。

植物は動物と違って、大地とともに動かず、同じ場所にいてくれる。私たち染織家が「あの山のあそこで、あの植物を採ってこよう」と思って行けば、必ずそこにいてくれます。我々はそういうことを当然のように思っていますが、実は素晴らしいことなんですね。ところで、五島列島には自生の椿が多いと聞きましたが。

吉永 はい。「東の大島、西の五島」と並び称されるほど、椿の群生地として名高いそうです。

志村 風土と合っているんですね。何十年か前にきっと母も目にした五島の椿に会ってみたいです。

吉永 ぜひ。そのときはふくみ先生のように島で染められたら素敵ですね。

五島の椿で糸を染める


五島の椿に魅せられて
1.五島列島に自生するヤブ椿の枝を適当な長さに折って大きな釜に入れ、一晩煮出す。写真(右)

2.染液を漉したら糸を染め、風に当てたのち、媒染で色を定着させ、乾かす。写真(左)

五島の椿に魅せられて
3.染めた糸を整える。経糸、緯糸を整形し、機にセットして、織る。写真(右)

4.織り上がった布を水で洗い、干したのち、裁断。柄合わせをして、きものに仕立てる。写真(左)
画像提供/蓮井幹生

Information

五島の椿プロジェクト

撮影/三浦憲治 ヘア&メイク/森下千帆(吉永さん) Eita〈Iris〉(志村さん)着付け/相澤美智子(吉永さん) 石山美津江(志村さん)取材・文/清水千佳子 コーディネート/稲場美和子 撮影協力/スプーン 五島の椿プロジェクト
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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