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花粉症は食べ物に気をつけると楽になる? 漢方の知恵で春のお悩みを分析

2022.03.03

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漢方の知恵と養生ですこやかに 第3回(01) 鼻のむずむずで春の訪れを感じとる人も多いのではないでしょうか。アレルギー体質の人にはつらい季節でもありますが、根本先生は、「春の花粉症は食べ物に気をつけるだけでだいぶ楽になる」といいます。特に春先に心がけたい養生法を、食を中心に教えていただきます。前回の記事はこちら>>

温かくも荒々しい春風が、粘膜を充血させる
開花とともにやってくる花粉症とアレルギー症状


〔解説してくださるかた〕横浜薬科大学特任教授・薬学博士 漢方平和堂薬局店主 根本幸夫先生

根本幸夫先生


1947年生まれ。69年東京理科大学薬学部と東洋鍼灸専門学校を同時に卒業後、さらに鍼灸と中国医学を学ぶ。「普段の生活こそが治療の場」をモットーに、漢方平和堂薬局(東京都大田区)では多くの人々の健康相談にのり、養生法をベースに漢方薬処方を行っている。横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター長ほか役職多数、著書多数。

血が上半身にのぼって滞り、目や鼻の粘膜が敏感になる


春先に吹き、花が咲いたことを伝える風を「花信風(かしんふう)」といいます。温かいけれど荒々しくもある春風が、開花の便りと同時に運んでくるのが花粉。植物も動物も生殖活動が盛んになり、人も性ホルモンの分泌に伴って粘膜が敏感になる頃です。

アレルギー体質の人は花粉が粘膜につくと過敏に反応し、目のかゆみ、くしゃみ、喉のイガイガなど不快な症状が現れ、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の症状も悪化しやすくなります。

漢方では、春は血(けつ)が上半身にのぼって滞り、鼻や目の粘膜が充血すると考え、このような状態を「表(ひょう)の瘀血(おけつ)症」(瘀血=血の滞り)といいます。中国医学の診断法(「証(しょう)」)の一つに「表裏(ひょうり)」(病巣が体のどの辺にあるか)という見方があり、「表」は体の表面、「裏」は消化器官や内臓など体の奥をさします。

春の花粉症は症状が「表」つまり目、鼻、喉や皮膚など体表に近い部分に留まることが多く、咳など気管支や肺の症状に及ぶことはあまりありません。症状が呼吸器系に及び、くしゃみや鼻水が咳に移りかねない秋の花粉症と比べると、重症化の心配は少ないといえます。
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