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京都のお正月のお菓子といえば? 鍵善良房の「花びら餅」が愛される理由

2021.12.15

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祇園 鍵善 迎春菓子ごよみ 京都・祇園に店を構える享保年間(1726年)創業の老舗「鍵善良房」。四季の移ろいや、京の美を映し出す京菓子を店頭に並べ、地元のお客さま、茶人やお寺関係、観光客と幅広い層に人気を得ています。今も昔も変わらぬ、新年の鍵善を訪ねました。前回の記事はこちら>>

お正月のお菓子といえば
妙心寺塔頭 霊雲院、ご住職好みの花びら餅


妙心寺塔頭霊雲院、ご住職好みの花びら餅

「花びら餅」
京都のお正月に欠かせないお菓子。昔は京都だけのお菓子で、甘いごぼうに驚かれることが多かった。お餅や求肥で作る店もあるが、鍵善のはほんのり甘くて柔らかな羽二重餅。紅白の梅の干菓子を添えると清楚で華やかさがぐんと増す。


「京都らしいお菓子とはどんなものかと聞かれたら、何げないお菓子と答えることが多いです。作り込みすぎないという意味で、これがなかなか難しい。その一方、小さなお子さんにも喜んでもらえる、見て楽しく、食べておいしいお菓子も大事にしています」と話す、15代目当主の今西善也さん。

お正月のお菓子は、干支のもの、鶴亀、松竹梅、歌会始めのお題を表すものを色や素材が重ならないように考え、必ず作っているのが福々しい「花びら餅」です。

毎年決まって注文されるご贔屓さんも多く、妙心寺塔頭の霊雲院のご住職もそのお一人。今西さんの祖母、愛子さんの代からおつきあいがあり、代々の主人が70年以上納めてきています。

霊雲院を訪れる今西善也さんと奥さまの由利子さん

臨済宗大本山妙心寺の塔頭、霊雲院を訪れる今西善也さんと奥さまの由利子さん。書院の「御幸の間」は重要文化財に指定されている。

則竹秀南老師へのご挨拶

則竹秀南老師へのご挨拶は今西家の恒例行事。毎年1月2日の朝に訪ね、雪舟の軸が掛かる書院でお茶とお菓子を頂戴する(霊雲院は通常非公開)。

「昭和24年からお菓子を届けていただく間柄。お客さまの中には鍵善さんの花びら餅を楽しみに来られるかたもいて、三が日になくてはならないお菓子です」とお話しになるご住職の則竹秀南(のりたけしゅうなん)さん。

花びら餅はもともと宮中のお正月に作られた菱花びらをもとに、京都の菓子司が茶道のお家元の初釜に作ってお持ちし、それが広まって正月の定番になったお菓子。

花びら餅の餡

白餡と上品な甘みの「山利」の白味噌を合わせた餡(左)。丸く抜いた羽二重餅で蜜煮にして砂糖をからめたごぼうと餡をくるりと包み、形を整えている。

店ごとの味や形がありますが、鍵善では砂糖をまぶしたごぼうと白味噌餡を長時間練った羽二重餅で包み、ふっくらした姿に仕上げています。

和菓子の美と技に触れる
美術館、カフェ、書籍を通して花街・祇園の文化を発信


店を継いで以来、常に鍵善らしいお菓子と店づくりを考えてこられた15代目主人の今西善也さん。和菓子の本質を磨きながら、もう一つ大事にしてきたことが花街・祇園で生まれ育った芸術文化の継承と発信です。

「ZENBI」の1階展示室柔らかな光と土壁に包まれた「ZENBI」の1階展示室。

地元の人や作家たちと想いを重ねながら新しい和菓子を楽しめる大人のカフェ「ZEN CAFE」をつくり、その向かいに美術館「ZENBI」をオープン。

現在、和菓子の道具の木型を紹介する展覧会を開催し、2021年12月には今西さんの初の著書『祇園 鍵善 菓子がたり』が刊行されました。

「美しいお菓子の木型 —手のひらの宇宙」展

「美しいお菓子の木型 —手のひらの宇宙」展

和菓子店の宝物であり、打ち物を作るのに欠かせない木型。鍵善良房が代々受け継いできた木型をはじめ、今は使われていない意匠を凝らした木型、注文に合わせて作られた近年の木型などを展示。さらにこの木型職人たちの現況など、貴重な資料も紹介します。

ZENBI—鍵善良房
—KAGIZEN ART MUSEUM

〜2022年4月3日(日)
住所:京都市東山区祇園町南側570-107
TEL:075(561)2875
URL:https://zenbi.kagizen.com/exhibition/
※〜2022年1/16、1/18〜2/27、3/1〜4/3の3会期で展示替え。

 

新刊のお知らせ


祇園 鍵善 菓子がたり

『祇園 鍵善 菓子がたり』
定価:3850円 2021年12月中旬刊行予定。


祗園とともに歩んできた「鍵善良房」。現当主・今西善也さんの書き下ろしによる美麗な京都の菓子ごよみ12 か月、意匠美、老舗のこだわりが待望の一冊に。




この特集の掲載号
『家庭画報』2022年1月号


家庭画報2022年1月号
表示価格はすべて税込みです。
撮影/内藤貞保 取材・文/西村晶子 撮影協力/大黒晃彦(花)

『家庭画報』2022年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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