エンターテインメント

伝説的舞台の新たな幕開けに、堤 真一さんをはじめとした華やかな実力派が集結

2018.01.12

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「そろそろ50代半ば。後悔しないためにも、自分から動いていきたい」




そんな堤さんだが、普段は決して社交的なほうではないそうだ。「知らない人が大勢いる場では、自分の存在を消したくなる」のだとか。

「だから余計に、舞台が終わった後に共演者と飲みに行ったり、めしを食ったりすることが好きなんでしょうね。その期間だけ共通言語の中で生きていけるというか、芝居をやってなかったら出会えなかったであろう人たちと、共通の話題を持ちながら、あれこれ話ができる。そういう場が持てることが、ありがたいし、楽しい。僕にとっては間違いなくそこも、舞台の魅力の一つです」


舞台は、一度始まったら止められないし、間違えても、やり直しがきかない。そういうアクシデントも含めて、その場にいるお客さんと共有できるところ、そこに噓がないところが、好きだという堤さん。テレビドラマや映画でも主演を務め、数々のCMにも出演する、いまや人気、実力ともに日本を代表する俳優の一人は、今後の俳優人生にどんな展望を抱いているのだろう?

「これまでは、オファーが来たものに対して、どう応えるか?というスタンスでやってきたんですけれども、最近、こういう作品をやりたいとか、あの監督さんと仕事をしてみたいとか、そういうことを自分からいって、やっていかなきゃと思うようになりました。時間は限られていて、周りも自分も、みんな年を取っていくわけだし、ずっと元気でいられるとも限らない。やりたいもの、やらなければと思えるものを見つけて、自分から動いていかないと、きっと後悔するだろうなと」

若い頃は、プロデューサーや監督に自分から“出してくださいよ”というのが、媚を売っているようで嫌だった。また、やってみたい企画を思いついても、そこから生まれる責任を負うことに気後れして、発案を思い留まる自分もいたという。

「でも、僕もそろそろ50代半ば。ちゃんと責任を背負うということも、やっていかなきゃ」そう話す堤さんの言葉に、余計な力みは感じられない。まさに内面の充実ぶりが滲み出ているようだ。さらなるステージへ進もうとしている堤さん。その今を、『近松心中物語』で堪能したい。

堤 真一/Shinichi Tsutsumi

俳優


1964年、兵庫県出身。俳優として、舞台、テレビドラマ、映画などで幅広く活躍中。2017年もドラマ『スーパーサラリーマン左江内氏』『名刺ゲーム』、映画『本能寺ホテル』など、多数の話題作に出演した。

撮影/KEI OGATA

シス・カンパニー公演『近松心中物語』
2018年1月10日~2月18日 新国立劇場 中劇場
SS席1万500円、S席9500円ほか

シス・カンパニー
TEL:03(5423)5906
全ステージ開演1時間前より当日券を販売。詳細は公演サイト https: //www.chikamatsu-stage.com/まで。

作/秋元松代
演出/いのうえひでのり
出演/堤 真一、宮沢りえ、池田成志、小池栄子、市川猿弥、立石涼子、小野武彦、銀粉蝶 ほか
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/増田 慶 ヘア&メイク/奥山信次〈barrel〉 スタイリング/中川原寛〈CaNN〉

「家庭画報」2018年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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