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ゴッホが愛したパリの街。天才画家の足跡をたどるモンマルトル散策へ

2021.10.15

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ゴッホの足跡をたどるモンマルトル散策


モンマルトルで、ゴッホゆかりの場所を散歩してみよう。

写真・文/南川三治郎このクリッシー大通りをゴッホはカンヴァスに描いた。当時はなかった赤い風車“ムーラン・ルージュ”は、観光スポットとしてお馴染みの場所。

メトロのブランシュ駅で降り、階段を上がると、目の前にゴッホが描いた《クリッシー大通り》の風景が展開する。正面右手には当時はまだ建っていなかったが赤い風車のムーラン・ルージュがある。ここから真っ直ぐ上にのびているのがルピック通りである。


写真・文/南川三治郎ブランシュ広場からモンマルトルの丘に登るルピック通り。ここにテオは兄と住むためのアパルトマンを見つけた。

これはモンマルトルの丘へのメイン・ストリートともいうべき通りで、両側には鮮魚店、精肉店、青果店、製パン店、酒販店、といった庶民的な店舗が連なる商店街で、モンマルトルの丘の胃袋といったところであろうか。

写真・文/南川三治郎

ルピック通りは上り坂。この中程を左に入ったコンスタンス通りには、コルモンのアトリエがあって、フィンセントも三か月ここに通った。ロートレック、ピサロ、シニャック、エドガー・ドガなどと交流したのもここだ。坂はT字路に突き当たる。ここを左折、そしてそれが半円形に緩いカーヴを描いて丘の上へと通じている。このあたりから商店はなくなり、アパルトマンが続くようになる。

写真・文/南川三治郎1886-88年テオとフィンセントが住んだルピック通り54番地。賑やかな町を一歩入ったひっそりとしたエリアだ。

写真・文/南川三治郎

この坂道の途中、右手の54番地がフィンセントとテオが2年間寝食をともにしたアパルトマンだ。扉の横には、ゴッホ兄弟の旧居跡であることを明記したプレートが貼ってある。

写真・文/南川三治郎モンマルトルの丘に再現された風車。ゴッホの絵にも描き込まれている。

さらに石畳を上ると、左手にゴッホをはじめ多くの画家たちが描いた “ムーラン・ド・ラ・ギャレット”が復元されている。風車を左手に見上げてさらに石畳を上ること3分、上り詰めたところが変形四ツ辻となっていて、左手前方角に緑色に塗られた “オーヴェルジュ・ド・ラ・ボンヌ・フランケット”がある。

写真・文/南川三治郎

写真・文/南川三治郎カフェ・レストラン“オーヴェルジュ・ド・ラ・ボンヌ・フランケット”。19 世紀末セザンヌ、ドガ、シスレー、ピサロ、ロートレック、ルノワール、モネら印象派の画家たちが集った店だった歴史を語るプレートが掲げられている。

その外壁には「ここは昔のオー・ビリヤール・アン・ボア跡で、印象派の画家たちが集まったレストラン。1886年10月にゴッホはこの中庭を《酒場》という題名で描いている」と、記されている。

ゴッホ兄弟が通った “シャ・ノワール”へは芸術家の溜まり場テルトル広場横のバス乗り場から、巡回バスに乗ってモンマルトルの麓へ。

写真・文/南川三治郎画家、文学者たちの溜まり場だったというキャバレー“シャ・ノワール”跡。

バスの終点ピガール広場で降り、下に下がった一本目の横道がヴィクトール・マッセで、その12番地にはこう書いてあった。「通行人よ足を止めなさい。この家はロドルフ・サリが、文学、美術を司るミューズの女神たちと歓喜に捧げたもので、“シャ・ノワール”があった」。

ゴッホが入りびたったタンギー爺さんの店跡。浮世絵や日本の着物を売る店になっている。

タンギー爺さんの画材屋のあったクローゼル街はこのもう一本下に。ゴッホは店に入りびたり、有名な肖像画を描いている。

 

写真・文/南川三治郎 Sanjiro Minamikawa
1945年、三重県生まれ。東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業。大宅壮一東京マスコミ塾第1 期出塾。主にヨーロッパの“人と文化”に焦点を当てて取材活動を行う。代表作に『アトリエの巨匠・100人』(新潮社)、『推理作家の発想工房』(文藝春秋社)、『イコンの道』(河出書房新社)、『ヴェルサイユ宮殿』(黙出版)、『アトリエの巨匠に会いに行く』(朝日新聞出版)、『世界遺産サンティアゴ巡礼路の歩き方』(世界文化社)などがある。2018年逝去。



ゴッホ名画巡礼




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2021年9月から開催の「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」とコラボレートしたアートブック。2010年に開催された「没後120年ゴッホ展」の展覧会公式本を再編集し、「決定版」として展示内容に合わせて掲載絵画を刷新しました。展覧会の予習・復習にも役立つ一冊です。
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ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント

フィンセント・ファン・ゴッホの糸杉を描いた傑作《夜のプロヴァンスの田舎道》が16 年ぶりに来日します。本展では、20 世紀初頭ゴッホに魅了され、その世界最大の個人収集家となったヘレーネ・クレラー= ミュラー(1869-1939)に焦点をあてます。画家がまだ評価の途上にあった20 世紀初頭、ゴッホの90 点を超える油彩画と約180 点の素描・版画を収集。精神面でもゴッホとともにあり、のちに設立するクレラー= ミュラー美術館の初代館長となった女性です。本展ではゴッホの油彩画32 点、素描・版画20 点などを展示。ヘレーネの絵画コレクションの成立と画家ゴッホの軌跡をひもとく構成です。クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に、一部《黄色い家(通り)》などファン・ゴッホ美術館所蔵作品も加わります。


フィンセント・ファン・ゴッホ
サント=マリー=ド=ラ=メールの眺め
1888年6月1-3日 油彩、カンヴァス
クレラー=ミュラー美術館
©Kröller-Müller Museum, Otterlo, The Netherlands


■開催期間:
東京都美術館 ~2021年12月12日 ※日時指定予約制。詳細は展示会公式サイトへ。
福岡市美術館 2021年12月23日~2022年2月13日
名古屋市美術館 2022年2月23日~4月10日

展覧会公式サイト>>
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