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脳のやる気を引き出す生活術&脳トレ法で、コロナうつを予防し健やかな心を保つ

2021.09.16

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withコロナ時代の健康術 第9回(03) withコロナの新しい生活様式で生きなければならないこの時代に、50代以降から衰えやすくなる器官や機能を取り上げ、健康を保つための方法を紹介します。今回は「コロナうつ」をテーマに加藤俊徳先生にお話を伺いました。前回の記事はこちら>>
〔解説してくださるかた〕
加藤プラチナクリニック院長、「脳の学校」代表
加藤俊徳(かとう・としのり)先生

●前回の記事
出かけない・会わない・話さない「脳の活動量低下」が“コロナうつ”を引き起こす>>

脳と心の健康を守るために1日7時間の睡眠を確保する


「脳のインプットとアウトプットの基本的な仕組みを形成しているのは運動系、視覚系、聴覚系の3つの脳番地です。コロナ禍における私たちの行動パターン(閉じこもり、運動不足など)は、この脳の働きを活性化させる最初の仕組みを遮断するため、理解系、思考系、記憶系、感情系といった高次脳機能の仕組みが連動して働かず、うつうつとした気分になったり認知機能が低下したりするのです」と加藤先生はコロナうつを引き起こす要因について説明します。

つまり、コロナ禍の今、心を元気にするには運動系、視覚系、聴覚系の脳番地をまんべんなく刺激することが何よりも肝心です。

「より大きな効果を期待したいのなら、この3つの脳番地を中心に複数の脳番地が連動して働くような活動に取り組むことをおすすめします。たとえば、植物の生長を観察しスケッチすることは視覚系と運動系の脳番地を同時に刺激します。その際、植物に話しかけると感情系脳番地も活性化されます」。

一方、加藤先生は昼間の活動量が減ることで“夜脳活”が抑制されることを心配します。

「夜脳活とは、すなわち睡眠のことです。18時を過ぎると眠気を誘うホルモンのメラトニンが分泌されて昼間に活発に働いていた脳を鎮めてくれます。そして、深い睡眠をとることで昼間の記憶を脳に定着させ、同時に昼脳活で産生された脳の老廃物を髄液中に排出し、翌日の活動に備えます。脳の健康を維持するうえで昼脳活以上に夜脳活が大切なのです。夜脳活が十分にできていない人は昼間に体を動かしたいと思わなくなり、聴覚系や視覚系に与える刺激も少なくなります。コロナうつを予防するためにも1日7時間の睡眠を確保しましょう」と加藤先生はアドバイスします。

●健やかな心を維持するために刺激したい脳番地
健やかな心を維持するために刺激したい脳番地

脳の活性化を促す睡眠と運動を適切に行ったうえで、脳の成長の基本となる運動系、聴覚系、視覚系の脳番地を刺激すると、気持ちが上向き、意欲などを取り戻せる。

また、パターン化した行動は脳に現在の状態が普通であると思い込ませるため、生活スタイル全体を見直し、マンネリ化している場合は自分の行動パターンや生活習慣を変えていくことも必要です。

加藤先生によると、行きつけの店を変える、珍しい物を買う、食べたことのない料理を注文するといった手軽なことから始めてもいいそうです。

脳が新しい刺激を常に受けられるよう行動範囲をできるだけ広げ、脳のやる気を引き出していきましょう。
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