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庭に咲いた花を、彩り豊かなブーケに。「花摘み庭づくり」成功のポイント

2021.06.17

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「花摘み庭」の舞台は、世界一美しいといわれた庭園


麗しき花摘み庭(カッティングガーデン)の喜び

日高山脈の麓に広がるファームガーデン全景。多種多様な野菜や花が植えられたレイズドベッドが点在している。手前に見えるのは6月号で紹介した、柳の枝で組んだトマトのウィグワム、左奧はガーデンカフェ。右奥には宿根草が中心のメドウガーデンが続く。ここで長時間過ごしていると、人間も自然の一部であることが実感できる。

「十勝千年の森」は日高山脈の麓にある雄大なスケールの庭園で、面積はなんと東京ドーム85個分。敷地内には4つの庭があり、世界的なガーデンデザイナー、ダン・ピアソンさんが手がけた「アースガーデン/大地の庭」と「メドウガーデン/野の花の庭」の2つは英国のガーデンデザイナーズ協会主催の「SGD Awards2012」で大賞と国際賞を受賞、「21世紀最良の庭」と評されました。


新谷さんはわずか数名のガーデナーチームを率いてこの広大な庭を管理しており、ピアソンさんが全幅の信頼を寄せる存在。いわば建築家と名棟梁のような関係です。

ファームガーデンは4つの庭のうちの一つで、来場者に「農」と「食」と「庭」のつながりを感じてもらうための場。すべてオーガニック栽培が基本です。花を摘む庭を菜園と混在させているのは、生活を彩る花を育てることも「農」の一つと考えていることや、花は花粉を媒介する昆虫を呼びやすいことなどが理由だそうです。

「私たちは日本古来の里山のあり方を大切にしています。森と人の営みをつなぐのが庭であり、野菜や花を育てて収穫する農業をテーマにしたファームガーデンは、最も人の暮らしに近い庭といえます」と新谷さんは語ります。

新谷みどりさん

新谷みどりさん
南九州大学園芸学部造園学科卒業。2002年、公開型庭園のガーデナーを目指してスウェーデンに渡り、ミレスゴーデン、ローゼンダール・トレーゴードで学ぶ。帰国後、造園会社や園芸会社で経験を積み、2008年、十勝千年の森のヘッドガーデナーに就く。





〔特集〕北海道「十勝千年の森」ファームガーデンだより 麗しき花摘み庭(カッティングガーデン)の喜び



01 「花摘み庭づくり」成功のポイント

02 暮らしと庭をつなぐ「カッティングガーデン」の魅力

03 深い赤が輝くパッション溢れるブーケ

04 青の階調が豊かな瑠璃色ブーケ

05 風に穂が揺れるサーモンピンクのブーケ





この特集の掲載号
『家庭画報』2021年7月号



『家庭画報』2021年7月号


監修=新谷みどり 撮影=大泉省吾 取材・文=大山直美 協力=十勝千年の森 ※この特集で紹介した栽培例は、北海道・十勝地方で実施されたものです。地域や気候により、適する植物や植え付け時期などは異なります。
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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