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藤田美術館の名品物語・7月 二人の実業家が、どうしても手に入れたかった茶入【動画あり】

2021.06.01

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7月 国司茄子茶入




《国司茄子茶入》 宋〜元時代(13〜14世紀) サイズ=口径2.8×胴幅6.3×高さ5.9㎝ 中国でつくられた唐物茶入。形が野菜の丸茄子に似ていることからこう呼ばれ、文琳、丸壺、肩衝などがある茶入のなかで最も重要とされる。日本の各国を治める長官の役職名「国司」が銘にあたる。落札した藤田平太郎は傳三郎の長男で藤田財閥2代目。競り合った野村徳七は野村グループの創始者。

選・文=藤田 清(藤田美術館館長)


この茶入は、伊勢の国司北畠家から時代と共に主人を変え、大正時代には酒井家の売立に出された。この時、実業家の藤田平太郎と野村徳七が青天井で競り合ったが決着がつかず、仲裁が入ることとなり、最後にはくじ引きまで事が及び、ついに藤田が破格の20万円で落札した(大正時代の山手線の最低運賃が5銭だったことから、20万円の落札額は現在の貨幣価値では約2600倍の約5億2000万円と推測できる)。

古くから希少で格式が高いとされた茄子形に加え、何よりも名前。「国を司る」という名に魅了され、是が非でも手元に置きたかったのだろう。実業家として、数寄者として、どちらの熱も果てしがない。

作品のエピソードトーク


動画で藤田 清館長と谷松屋戸田商店の戸田貴士氏による、本作品のエピソードトークをご覧いただけます。
撮影/小野祐次 構成/安藤菜穂子
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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