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クラシック入門者も楽しめる。指揮者・佐渡裕さんだからこそ知る「世界のオーケストラ案内」

2021.05.14

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4.頑固なメンバーも多いが、一度納得したらきっちり守る「ドイツ」


指揮者・佐渡 裕だからこそ知る

スタンディング・オベーションが鳴りやまなかったという、ベルリン・フィルデビュー。©Peter Adamik/Berliner Philharmoniker

「個」と「全体」を自在にコントロールできる


ベルリン・フィル等、ほとんどの主要なオケで指揮しました。それぞれ個人が強い個性を持っていますが、集団で一つにまとまることにも長けています。これこそオケの技術力ですね。ドレスデンなど旧東独はやや気難しいですが、ベルリンは開放的で現代音楽にも理解があります。

またドイツは他国と奏法や楽器が違うことも。ティンパニは皮製で(他国はプラスチックが多い)湿気と温度との勝負ですが、気持ちよく入ると下からパーンと立ち上がる音がする。それがコントラバスの低音が一致すると、オケ全体がものすごく良い音で聞こえます。

『佐渡 裕 ベルリン・フィル・デビューLIVE』【CD】

指揮者・佐渡 裕だからこそ知る

佐渡裕&ベルリン・フィル avex classics 3143円 全身で情熱的に指揮する佐渡さんと優れた技巧を持つ楽団員との演奏に引き込まれる。





5.オペラの国だからか、歌うように奏でるのが特別に上手い「イタリア」


打楽器ティンパニさえも歌うように

ローマの名門サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団とは何回も共演し、ジュゼッペ・ヴェルディ・ミラノ交響楽団、トリノのRAI国立交響楽団や王立歌劇場とも長いつきあいです。イタリア人は歌うように奏でるのが特別に上手くて、ヴァイオリンで奏でるメロディやトランペットのソロ、打楽器のティンパニですらメロディを歌っているようです。オペラの伝統も長く、イタリア語の深い母音やイントネーションが音楽的なんですね。

『イタリア国立放送交響楽団』【DVD】

指揮者・佐渡 裕だからこそ知る

佐渡裕&イタリア国立放送交響楽団 イタリアらしいロマンティックな音を佐渡さんの見事な構成力でまとめた演奏会の映像化。





6.独特の浮遊感のある音がする「イギリス」


どのオーケストラも機能性が高い

BBCフィルハーモニックやロンドン交響楽団等と共演し、ロンドン・フィルとは録音もしました。イギリスは何を演奏しても彼らなりのテイストを感じますね。またどのオケも機能性が高い。譜面を読むスピードが速く、短時間で曲を仕上げることに優れています。3日間のプロジェクトを1日半で仕上げるほど。音に関しては独特のふわっとした音色感があります。金管楽器もよく鳴りますが、耳をつんざくような音ではない。映画音楽やミュージカルも盛んです。

『チャイコフスキー :ピアノ協奏曲 第1番』【CD】

指揮者・佐渡 裕だからこそ知る

佐渡 裕&辻井伸行&BBCフィルハーモニック avex classics 2200円 佐渡さんの指揮、辻井伸行さんのピアノ、BBCフィルハーモニックの演奏による美しいメロディ。





7.演奏も人間も個性的で楽しい「フランス」


豊かな音の色彩感と溢れる個性!

僕が首席指揮者となったコンセール・ラムルー管弦楽団は、作曲者ラヴェル自身による指揮で『ボレロ』を初録音したオーケストラです。他にも名門のパリ管弦楽団など10楽団ほどとかかわりましたが、フランスでは色彩感や、楽器と楽器の組み合わせ、音色の重ね合わせを学びました。フルートがこう吹いたらオーボエが自分の個性で応え、クラリネットがその二人のパスを見て奏でるというように、演奏も人間も個性が溢れていて、自由奔放なのが面白いです。

『ボレロ!』【CD】

指揮者・佐渡 裕だからこそ知る

佐渡 裕&ラムルー管弦楽団 エラート・クラシックス 1100円 楽団史上最年少32歳で首席指揮者に就任した佐渡さんの演奏にパリの聴衆が熱狂。繊細でありながら躍動感に溢れた演奏が胸を打つ。
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