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兵庫県立芸術文化センターの楽団員&スタッフが語る、芸術監督・佐渡裕さんの情熱

2021.05.07

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“芸術監督・佐渡 裕”について、楽団員&スタッフが語る想い


兵庫県立芸術文化センターの芸術監督へ

佐渡さんはどんな人? ステージではどんな様子?設立から共に歩んできた同志ともいえる劇場関係者や、世界各国からやってきた個性溢れる兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)メンバーたちに、佐渡さんのとっておきエピソードを伺いました。

兵庫・神戸の街と一緒に成長していける芸術監督を!
── 兵庫県立芸術文化センター 副館長 藤村順一さん



兵庫県立芸術文化センターの芸術監督へ
被災が大きかったこの場所に、人々も街も賑わいを取り戻せるような劇場にしたいと思ったとき、浮かんだ顔が佐渡さんでした。佐渡さんとはケンカもしますが、心から信頼しているリーダーです。

あるとき「音楽とは何か」と伺ったら、「祈り」だと。オープニング公演も今日と同じ「第九」でしたが、地底から湧き上がるような、天から降ってくるような拍手が起きました。きっとお客さまお一人ずつ、大切な人を連れてこられたのではないかと思うほど、2000人のホールに4000人の魂が入っていました。その拍手を引き出したのが佐渡さんの棒。演奏者、劇場、そしてお客さま。その成功のトライアングルの中心に指揮者・佐渡 裕がいるんです。

コロナ禍にオンラインで新たなプロジェクトを発案
── 兵庫県立芸術文化センター 舞台技術部 副部長 金子彰宏さん


兵庫県立芸術文化センターの芸術監督へ
佐渡さんは芸術監督として音楽的にトップレベルを目指し、また演奏をお客さまに届けることを最優先にされていますが、その方法は柔軟で、状況によっては電気音響を取り入れてもいいとお考えだと思います。お客さまにベストを届けたいという最終目的がハッキリしているからなんですね。コロナで自粛期間中は、オケメンバーの音に市民の皆さんの歌や演奏を重ねていく『HPACすみれの花咲く頃プロジェクト』を立ち上げ、メンバー個人やアンサンブルの映像を紹介する『Meet-HPAC リサイタルホールから』、佐渡さんご本人が台本を書いた子ども向けの動画も制作しました。解説を聴くと「どんな思いで作られた曲なのか」がよくわかります。

佐渡さんの笑顔でステージでも心地よく演奏できる
── 〔ホルン〕 ジョシュア・ブルメンサルさん(アメリカ出身)


兵庫県立芸術文化センターの芸術監督へ
佐渡さんは曲の感情や雰囲気を念頭において、それを上手に我々の演奏から引き出してくれます。ホルンという楽器の特性上ミスをしないようにと緊張しがちですが、佐渡さんの笑顔を見ると安心でき、音楽を楽しむことに集中できます。上手な役者のようですね。特にベートーヴェン「第九」ではホルンの可能性が最大限に発揮できるように書かれており、曲全体を通して出番があるうえ、4名全員にソロのパートがあります。技術的、音楽的にも多くを求められますが、たとえ細かなミスがあっても音楽の意図が表現できていればよいと導いてくれます。またコロナ禍の中、新たな課題やサポートを与えてくださり、音楽に集中することができました。

ステージ上でも異国でも感じた優しい愛情
──〔フルート〕フランチェスカ・ブルーノさん(イタリア出身)


兵庫県立芸術文化センターの芸術監督へ
エネルギーに溢れていて、特にコンサート中はいつも笑顔でいてくれます。演奏は高いレベルを要求されますが、色々アドバイスもくださり、愛情あるやり取りで、心安らぐ優しい存在です。2020年3月にイタリアへ帰国中、欧州からの渡航禁止令が出て、半年間日本に帰れませんでした。『Meet-HPAC リサイタルホールから』では、私がイタリアで収録した演奏映像を流しながら、「彼女が帰ってくるのを心待ちにしています」と情熱を込めて紹介をしてくださいました。日本に戻った後、オーディション時にやっとお話しできました。「帰ってきてくれて嬉しいよ! じゃあモーツァルト!」と、再会の喜びはゆっくり味わえませんでしたが(笑)。

いつも「一人一人の声」を聴いてくれている
──〔コントラバス〕コーディ・ローズブームさん(アメリカ出身)


兵庫県立芸術文化センターの芸術監督へ
いつも心の底から音楽を楽しみ、愛情を持って向き合ってくださいます。「第九」のように100人ほどの大規模編成でも、それぞれが「自分の声を聴いてくれている」「自分の意図は届いている」と思わせてくれます。世界中の若手演奏家と日本で演奏できることは素晴らしいことです。佐渡さんは家族や友人のように我々一人一人としっかり繋がっていて、その信頼関係の中で、有機的に音楽が創られていきます。たとえばリハーサルなしで2公演続いたとき、初日の公演で何かに気づいたのか、翌日の演奏を少し変えてこられたことがありました。事前に打ち合わせがなくても応えてくれるだろうという、私たちへの信頼の証だと思います。

街の人の心とともに。“兵庫県立芸術文化センター”完成まで


「劇場は地元の人々に愛されてこそ」。その思いを胸に歩んだ15年。
撮影/鍋島徳恭 編集協力/三宅 暁 取材・文/菅野恵理子 取材協力/兵庫県立芸術文化センター、兵庫芸術文化センター管弦楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、すみだトリフォニーホール、スーパーキッズ・オーケストラ
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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