エンターテインメント

加藤シゲアキさんが舞台『モダンボーイズ』に出演。かつて木村拓哉さんが演じた主役に挑む

2021.04.06

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いちばん大事なのはアクションを起こすこと


作家になって、小説にはない芝居ならではの面白さを、より感じるようになったという加藤さん。そもそも、なぜ小説を書き始めたのか、昔から作文が得意だったのかと尋ねると、「実は僕、もともと理系で、国語の成績は悪かったんです。ただ、親がとっておいてくれた小さい頃の落書きを見ると、絵本をつくったり、物語を書くのは好きだったみたいです」。

転機は2011年、たまたま見たテレビ番組で、ある先輩が大役を得たきっかけが、自分から事務所に“オーディションとかないんですか?”と聞いたことだと知ったこと。

「仕事があまりなくて悶悶としていた」加藤さんは、すぐに事務所の幹部に電話。後日、面談となり、やりたいことを聞かれて「本当は小説を書きたいんです」と答えたところ、まずは書いてみろと締め切りをいい渡された。


エッセイやブログを書きながら、「物語をゼロから生み出すこと」に憧れを募らせる一方で、「自分にできるわけがないとも思っていた」という加藤さん。そこから「死に物狂いで書いた」のが、12年に発表した第一作『ピンクとグレー』だ。

以降、「自分なりに課題をアップデートしながら」真摯に執筆活動を続け、巧みな構成と確かな筆致で、若者3人を軸に瑞々しい青春ストーリーを紡いだ最新作『オルタネート』は、直木賞と本屋大賞の候補作にも選ばれた。

「若い人にも手に取ってもらえるものをと思って書き始めた作品だったので、正直、驚きました(笑)。続けていれば誰かが見てくれて、面白いことが起きるんだな、これまで応援してくれたかたがたのおかげだなと、改めて思います」

残念ながら、作者がアイドルというだけで敬遠する人もいるが、「それは仕方のないこと。逆に、アイドルだということで得をすることもあります」という。

「ただ、僕の体験からいえるのは、アクションを起こすことがいちばん大事だということ。今回僕が演じる矢萩という学生も、最初は思想にこだわってレビューを観ようとしないんですが、一歩踏み出すことで世界が一気に広がる。役の設定とは年齢差が結構ありますが、いろいろなことを経験してきたからこそ演じられる役だと、自分では思っています。深いテーマがありつつも、わかりやすくて華やかで、きっと誰が観ても楽しめる『モダンボーイズ』。木村さんにも観てもらえたら嬉しいけど、緊張しそうなので、こっそり観に来てほしいです(笑)」

舞台『モダンボーイズ』

日中戦争前夜、浅草のレビュー小屋の座付き作家・菊谷 栄は、友人から同郷の後輩・矢萩 奏を紹介される。ある日、警察に追われた矢萩がレビュー小屋に飛び込んできて……。

作/横内謙介
演出/一色隆司
出演/加藤シゲアキ、山崎樹範、武田玲奈、坂口涼太郎、溝口琢矢、松田賢二、きづき、加藤虎ノ介、神保悟志、大鷹明良 ほか。

新国立劇場 中劇場
~2021年4月16日
S席1万3000円ほか
パルコステージ:03(3477)5858
大阪公演もあり
表示価格はすべて税込みです。
取材・文/岡﨑 香 撮影/岡積千可 編集/山下シオン

『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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