速水は今まで演じた中で一番難しい役になった
自身には速水のような裏はないという大泉さん。とはいっても、あてがき。だから、「これほど役作りのいらない役はないはずだって、冗談では言ってたんです」。でも、現実はそうではなかったようで……。
「結果、今まで演じた中で一番難しい役になってしまったという。“今のは大泉さんっぽかった”って監督に言われて、何回もNGになりました。それの何がいけないんだって思いましたけどね（笑）。だって、僕をイメージして書いてるんだから、僕っぽくていいはずで。だけど、そこは大八さん。大変素晴らしい監督で、これは大泉ではなくて速水という人間であって、大泉 洋の素の感じが出てくるのはよしとしなかった。どうしても癖とか、そういうものは出ちゃうんだけど、全部NGを出してもらって、僕は初めていい意味で自分というものを感じずに映画を観られたなと思いました」
その感覚は「不思議だった」と大泉さん。そして、「僕らしくない役だった」と速水役を語り、「僕をイメージして書いていても、“俺でいいんだろ？”は勘違いで。やっぱりそうじゃないんだなっていうことを大八さんの演出のもと、よくわからせていただきましたし（笑）、修正して修正してOKが出たときの達成感がすごく大きい現場でした」と撮影時を振り返りました。
「大八さんの演出はすごく細やかだったんですけど、言っていることは非常にわかるし、ホントにありがたいことばっかりでしたね」
