檜の香りも清々しい、店内に漂う凜とした空気。銀座らしい落ち着いた華やぎの中にも、どこかくつろいだ趣を感じさせるのは、ご主人・鈴木孝尚さんのさりげない目配りと間合いを心得た巧みな接客のおかげでしょう。
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「ランチのお客さまは、お酒を飲まれないだけに召し上がるのが早い。お待たせしないようにと気を遣いますね」。そう語る鈴木さんは、すし一筋23年の大ベテラン。魚の目利き、仕事の確かさはもちろん、白眉は何といっても酢めし。赤酢と白酢のブレンドも絶妙なそれは、酸味も程よく、魚の風味をよく引き立てます。
それでいてお米のうまみはしっかりと主張。幾分しっかりと握りながら、口の中でホロリとほどける加減も、すし通たちに支持される所以でしょう。開店して1年余り、その安定感のある握りが、昼でも夜と全く同じようにいただけるのも嬉しいかぎりです。
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愛知産の平ら貝。酢めしとの間に海苔を一枚かませ、一体感が出るように握っている。
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愛知産の車海老は、香りよりも本来の甘みを引き出したいと、あえてゆでおきしている。
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鈴木孝尚(すずき・たかひさ)
1975年9月29日生まれ。静岡県出身。 O型。座右の銘は「一期一会」。
トップを張るよりも偉大なる二番手でいたいタイプという。「銀座 江戸銀」で4年、東銀座「助六」で6年、銀座「鮨 青木」で12年の修業の後、2015年6月に「鮨 鈴木」を開店。
Information
鮨 鈴木
東京都中央区銀座6‒5‒15 銀座能楽堂ビル5階
- 料金の目安:昼4000円、8000円、1万円。夜おまかせ2万5000円~、握りのみ1万5000円~。 写真は昼1万円より。 要予約 カウンター10席
表示価格はすべて税抜きです。
「家庭画報」2016年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。