「如月の二十日あまり、南殿(なでん)の桜の宴させたまふ。」で始まる、『源氏物語』の「花の宴」。南殿とは、紫宸殿(ししんでん)のこと。紫宸殿は、御所の正殿として、歴代の天皇の即位式をはじめとする大儀が行われてきた建物です。
現在の京都御所は、南北朝時代に北朝の光厳(こうごん)天皇が六波羅館から移された場所であり、もちろん紫宸殿も紫式部が描いたそれではありませんが、今も紫宸殿の庭には春になると桜が咲き、その風情は訪れる人を遥か昔の物語の世界に誘います。そして四月、桜が次々に花開く春爛漫、御所は一般公開と共にいちばん麗しい季節を迎えます。
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