2017/09/11

【伝統工芸の美、再発見 第9回】三川内焼のアロマポット

日本が誇る伝統工芸に携わるかたがたとともに製作した、現代の暮らしを豊かに彩る家庭画報オリジナルの逸品をご紹介します。

撮影/鈴木一彦



器を透かしてキャンドルの光が優しくこぼれ、辺りにはお気に入りの香りがふわりと漂う……。今回ご紹介するアロマポットは、心安らぐリラックスタイムを叶えてくれるだけでなく、今の暮らしのインテリアにも調和するすっきりとしたデザインがほかにはない魅力です。

c_170911_if_01.jpg 製作に協力してくださったのは、モダンなセンスが光るおもてなし上手として知られる雅子シュシャンさん。今回の製作にあたり、三川内(みかわち)焼が誇る技法「透かし彫り」を施した香炉から着想を得て、その美しさを味わえるアロマポットのアイディアを提案してくださいました。

c_170911_if_02.jpg 上・玄関の一角に、季節のフラワーアレンジメントとともに。白磁の澄んだ色合いは、木がベースのインテリアにも映える。左ページ・ベッドルームのサイドボードに。オイルを入れる皿は取り外せるので、手入れがしやすい。

「日本の伝統的な技でありながら、北欧のデザインを思わせるようなシャープな印象に驚きました。ひと目見て、透かし彫りを施したアロマポットから光が辺り一面にこぼれ出る情景が思い浮かびました」

ベッドルームやバスルームなどプライベートな空間だけでなく、玄関やリビングの一角に置けば、お客さまをお迎えするオフィシャルな場面でも使えます。また、「どんなものでも、用と美と、両方を兼ね備えていなければ長くは愛用できません」と微笑むシュシャンさん。ポットの側面と、キャンドルを置く底面は別々になっているため、キャンドルに火をともす扱いも楽に行えます。

一緒に考えてくださったかた c_170911_if_07.jpg 雅子シュシャン(まさこ・しゅしゃん)さん
「ゴディバ ジャパン」代表取締役社長夫人。多忙なフランス人のご主人と二人のご子息を支える一方、おもてなし上手としても知られる。フランスで暮らした経験や、国内外のさまざまなかたとの社交を通じて培われたセンスが光る、モダンなコーディネートが好評。

“一気呵成”に作り上げる透かし彫りの技

染付や唐子の絵付け、透かし彫りや置き上げなどの細工物で知られる三川内焼の歴史は、一六世紀末まで遡ります。豊臣秀吉による朝鮮出兵の際に、平戸藩主松浦鎮信が朝鮮から陶工を連れ帰ったことや、同時期に唐津焼の陶工が平戸に流れ着いたことなどがその起源とされています。はじめは陶器が主だったこの地において、一七世紀に陶石が発見されたことにより磁器生産が始まりました。平戸藩御用窯として手厚い保護を受けたため、採算を重視しない生産が可能となり、技巧をこらした器が作られるようになりました。透かし彫りの技術が発展したのもこのためです。

c_170911_if_03.jpg 透かし彫りにした一つ一つの穴から光が漏れ出る。テーブルに放射状に広がる映り込みが幻想的で美しい。

器の一部をくりぬいて模様を作り出す「透かし彫り」は、器の生地が乾燥する前にすべて切り抜かなければなりません。また、一つくりぬくたびにバランスが変わり器の強度も下がっていくため、全体の様子を見ながら一気呵成に切り抜く熟練の技を要します。まるで籠の編み目のようにこまかに施されたその美しさは、四〇〇年の歴史の中で数々の職人が高みを追求し続けてきた証です。

c_170911_if_04.jpg 小刀の剣先で突き抜くようにして一目一目慎重に、かつ素早く手を進める。写真/大川裕弘

c_170911_if_05.jpg 透かし彫りを行う唯一の窯「玉泉製陶」の15代当主である福本 幸さんの香炉。くりぬく穴の形やその配列に個性が出る。撮影/八田公子

家庭画報×三川内焼アロマポットのご購入方法
c_170911_if_06.jpg 「アロマポット」約7.5センチ角×高さ約14センチ 1万4950円(税込み、送料別)。購入をご希望のかたは、直接「玉泉製陶」にご注文ください。ご注文は電話にてお願いいたします。

玉泉製陶
TEL:0956(30)8637
※ご注文が確定してから製作するため、商品のお届けにはお時間がかかります。また、商品は一つ一つ手作りのため、仕上がりが写真とは少々異なる場合があります。


今回ご協力いただいたかた
c_170911_if_08.jpg

玉泉製陶 福本 幸さん
三川内焼の窯元の中でも唯一「透かし彫り」の技を伝え継ぐ。
TEL:0956(30)8637
住所:長崎県佐世保市三川内本町189-2

撮影/八田公子
●『家庭画報』2017年10月号掲載
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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