2017/07/11

【伝統工芸の美、再発見 第7回】上田紬のワンピース

手織りの技のみが生み出せる極上の肌触りをワンピースで楽しむ

古くから養蚕業が盛んであった信州(長野県)では、養蚕農家の副業として紬織物が発達したといわれています。なかでも上田紬は、江戸時代には大島紬、結城紬と並んで日本三大紬と称され、その比類のない丈夫さは、三回裏地を替えても着られるとして「三裏縞(みうらじま)」とも呼ばれたほどです。

c_170711_if_06.jpg 小岩井さんの考案したさまざまな柄の着尺地・帯地。中央の黄色の着尺地が「りんご染め」。「りんごの品種によっても、色味が変わるのが面白いです」と小岩井さん。

上田紬は分業制をとらず、生糸の染色から生地のデザインにあたる経糸(たていと)の整経(せいけい)、織りにいたるまで、全工程を一人で行います。ワンピースを製作してくださった小岩井カリナさんもその一人。「若い人にも手にとってもらえるよう、上田紬の伝統的柄である縞・格子のみにとらわれることなく、自由な発想で模様や色の組み合わせを考えています」と話すように、淡い色やグラデーションなど、今の時代に合ったモダンな上田紬を作り出しています。

c_170711_if_04.jpg 染色した緯糸(よこいと)を木の小枠に巻き取っていく「座繰(ざぐ)り」と呼ばれる工程。織る前の工程もすべて手仕事で行われる。

「手織りだからこそ実現できるこの手触りのよさを残していきたいです」と、上田でただ一軒手織りを続けている小岩井さん。地元名産であるりんごの樹皮を使った「りんご染め」として、祖母の時代に行っていた生糸の草木染めを復活させるなど、上田紬を次世代に伝え残していくために日夜奮闘されています。

c_170711_if_05.jpg 舟形の杼(ひ)を使って経糸に緯糸をひと目ひと目打ち込んでいく。気の遠くなるようなこの工程は、着尺地一反を織り上げるのに熟練の職人でも数週間かかる。

この記事は全3ページです。

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