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2017/06/01

目にも舌にも美味しい工芸茶、その魅力を探りに本場中国へ〈後編〉

昔ながらの製茶方法で、儚い香りを閉じ込める

170523_kougeicha_28.jpg 黄山芳生茶業の製茶工房。お茶を育てた畑の傍で、すぐに加工することができる理想的な環境。

製茶工房があるのは茶畑を望む丘の上。手摘みされた新芽は、すぐにここに運ばれ、その日のうちに製茶されます。黄山毛峰の製茶工程は、酸化発酵をさせる「萎凋」をし、熱を加えて炒る「殺青」でその発酵を止めてから、水分を除くために乾燥させるというのが基本。康藝銘茶の場合は「殺青」後に、形を造り、一般的な茶葉より長い時間をかけてゆっくり乾燥させます。上質な茶葉ほど工程はシンプルですが、その分、茶葉が持っている香りや味を生かすための、タイミングや温度などの加減が重要。機械任せにするようなことなく、茶葉の様子を見ながら、手間ひまかけた昔ながらの技法で製茶しています。

170523_kougeicha_29.jpg 今朝摘み取った新芽を、暗所で空気に晒して萎凋する。茶葉自身が持つ酵素によって微発酵が施される。

萎凋している途中の茶葉を口に含んで噛んでみると、新芽の碧く爽やかな香りが広がります。汪徽州さんは「摘みたては良い香りですが、そのままではこの香りを持続させることはできません。製茶することで香りを長く持たせることができるんです。それぞれの工程は長年の経験と感覚で、茶葉の等級や状態を細やかに判断し、適切に微調整します。特に特級の茶葉は、炭で乾燥させます。黄山毛峰は松の木、康藝銘茶は高い山の上にある碧い葉のついた柴木や、お茶の木の枝を炭にして乾燥に使います。そうして作ったお茶は、香りが高いんですよ」と教えてくださいました。お茶が育成される自然の要素と、その持ち味を最大限に生かす製茶工程は、いわば車の両輪。職人の卓越した技術も、上質なお茶づくりには欠かせません。

170523_kougeicha_30.jpg 昔ながらの職人仕事で製茶を行う「茶味制作職間」には、ほのかに自然の木々から作られた木炭の匂いが漂う。お茶という芸術を創造するアトリエのような趣。

この記事は全5ページです。

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