• トップ > 
  •  > 
  • SPECIAL > 
  • 目にも舌にも美味しい工芸茶、その魅力を探りに本場中国へ〈後編〉

2017/06/01

目にも舌にも美味しい工芸茶、その魅力を探りに本場中国へ〈後編〉

撮影・取材・文/鈴木ニーナ博美


近年日本でも人気が高まっている工芸茶。そのルーツを求めて、本場中国の安徽(あんき)省を旅します。 後編は、最高級の工芸茶を生み出す黄山芳生茶業の茶畑で、美しく美味しい工芸茶の秘密に迫ります。


<<目にも舌にも美味しい工芸茶、その魅力を探りに本場中国へ〈前編〉



畑と茶の木が持つ力を信じてこそのオーガニック栽培

170523_kougeicha_23.jpg 自然に囲まれた環境の茶畑。ここは、良質な土壌や、適した日照時間などの諸条件が整っている場所だという。


170523_kougeicha_24.jpg 茶畑の中にある大きな木も伐採したりすることなく、なるべく自然に近い状態を保っている。

黄山芳生茶業のお茶は、中国政府からオーガニック認定された「森林茶園」と呼ばれている茶畑で育ちます。市街から車で1時間半ほど離れた、黄山の東南に位置する茶園へと向かいました。ここは、3つある黄山芳生茶の茶園のうち、康藝銘茶の一部に使われている黄山毛峰が育てられている場所。つい1年半前までは車が通れる道はなく、徒歩か騾馬でなくてはたどり着くことができなかった深い山奥です。「森林茶園」という名の通り、周りの木々に守られているかのような環境で、自然にごく近い状態でお茶が育てられています。

170523_kougeicha_25.jpg もっとも良いとされる春先の新茶の芽。同じ木でも摘んだ時期によって味や香りが異なる。

ちょうど今年最初に芽吹いた、最も高級な新茶を摘む晴明の季節。澄んだ空気とあたたかな陽射し、まさに清浄明潔な風景が広がっています。山から滲み出た小川の水は透明で、せせらぎの音に重なるのは鳥のさえずり。密集させることなく、ゆったりと十分な間隔を持って植えられた茶木の間に爽やかな風がわたります。その気持ちよさに、自然と呼吸が深くなっていることに気がつきます。

170523_kougeicha_26.jpg 手で摘み取るのは、芽吹きたての一芯二葉のみ。柔らかで、みずみずしい感触の若芽しか使わない。

「高度や土壌、日当たりといった環境、良い品種、製茶の技術が揃う事によって良いお茶が作れます。ここは今の時期、昼間は21度、朝や夜間は5〜7度と温度差があり、朝露がおりる。その潤いが良い茶葉を育てるんです」と、汪徽州さん。さらに、「山の上は空気がきれいで、夏でも涼しいので虫が少ない。こうやって自然の藤の蔓や葉を置いておいて、お茶の木の栄養にしています。農薬や肥料などは全く使っていません」とも。それは、健やかな畑の環境と、お茶の木が本来持っている力を信じているということ。お父様から受け継いだ茶畑を眺める徽州さんの表情からは、そんな土地やお茶の木々との信頼関係を大切に思っていることが感じられました。

170523_kougeicha_27.jpg 木々の間に撒いておいた藤の葉が腐熟し、腐葉土のようになっている。

この記事は全5ページです。

あわせて読みたい


四季島
テンピュール
この人に会いたい
山口遼ジュエリー連載
フィギュア愛
星野リゾート
和美人百貨店

「家庭画報」本誌

家庭画報イメージ

家庭画報
2017年11月号



食 Restaurant&Food 食の記事をジャンル×場所で探す

今森光彦傘
マイクロコンテンツ
家庭画報の旅
村田さん連載
家庭画報の贈りもの

家庭画報編集長 秋山和輝 on Twitter

プレゼント当選者発表
  
食の学校
  
家庭画報アカデミー
  
セブンアカデミー