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2017/05/02

菊乃井 村田吉弘「日本のこころ、和食のこころ」五月 新茶

菊乃井・村田吉弘 【日本のこころ、和食のこころ】二〇一七 撮影=小林庸浩

五月のお料理としてお出しする新茶蒸し。
茶そばを薄焼き卵で巻き、さらに甘鯛で巻いて蒸す。
仕上げにお茶だしをかけて供する。爽やかな味で人気の一品。

五月【新茶】夏も近づく八十八夜──。
立春から数えて八十八日目(五月初め頃)は、
茶摘みの最盛期にあたります。
この日摘まれたお茶は極上とされ、
また、末広がりの八の数字が、縁起がいいとされ、
この日お茶を飲むと長生きするともいわれました。
村田さんも日に何度も飲まれる日本茶のお話です。

中国から伝わり、日本人に欠かせないものとなった「お茶」

お茶はいわずと知れた、中国が原産。漢の時代の医学書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』に記述が見られるので、この頃にはよく知られるようになっていたと思われます。日本に伝わったのは奈良・平安時代で遣唐使や留学僧によってもたらされたとか。

鎌倉時代になると臨済宗の開祖栄西が宋に渡って禅宗を学び、そこで喫茶が盛んにおこなわれているのを知り、『喫茶養生記』を著しました。これは薬としてのお茶の効能を説いたもので、日本初のお茶の専門書です。

最初は僧や貴族、後には武士といった支配階級のものだったお茶。やがて茶の湯が生まれ、江戸の頃になると庶民の間にもお茶を喫する習慣ができていたようです。この長い歴史を見ても、日本人にとっていかにお茶が欠かせないものなのかがわかりますよね。

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