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2017/01/05

菊乃井 村田吉弘「日本のこころ、和食のこころ」一月 大根とかぶら 

菊乃井・村田吉弘 【日本のこころ、和食のこころ】二〇一七 撮影=小林庸浩

一月【大根とかぶら】

皮も葉も茎も、大根には捨てるところがない

  • ぶり大根を盛りつける村田さん。

    京都の冬野菜いろいろ。大根やかぶら、京にんじんなど。(写真/古市和義)

僕は大根は日本のおかずのおおもと、読んで字のごとくおかずの「おおね」だと思っています。煮汁であめ色に染まった大根。その煮えるいい匂いは日本人なら誰しもが食欲をそそられることでしょう。

大根はまず、捨てるとこがない。身はもちろん、煮たり、蒸したりしていただきますが、グルタミン酸が豊富なのでそれだけでいいだしを出してくれます。大根だけで煮てもおいしいし、塩もみしてもいい、ふろふきにしてお味噌で食べてもいいですね。昔はむいた皮はざるに入れて軒先につるしたもんです。この皮から、いいだしが出るんですよ。葉や茎は煎り煮にしてもいいし、ご飯に混ぜてもいい。京都は精進の考え方が根本にあります。作物に感謝して余すことなくいただく大切さ。秋が深くなり霜がおり、日に日に寒さが増してくると根のものは甘みが増し、身もしっかりしてきます。これは日本人にとって昔からなによりのご馳走だったんですね。今日も底冷えがきついですね。うちも今夜はぶり大根にしましょうか。

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