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「グッチ オステリア」のヘッドシェフが能登へ。未知なる食材と出会う旅【復興応援ランチ会開催】

2024.02.15

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〔特集〕復興応援企画 食のワンダーランド日本見聞録(石川編) 前編 
「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」のヘッドシェフ、アントニオ・イアコヴィエッロさんが、日本の未知なる食材を求めて各地を旅する企画の第2弾。

今回は、2023年12月に石川県の能登と加賀を訪問。それぞれ独自の食文化が発展した滋味深い北陸の魅力を深掘りし、日本とイタリアを融合する新しい料理に挑戦しました。

しかしながら、2024年1月1日に発生した能登半島地震で、訪問した「一本杉 川嶋」、「鳥居醬油店」、和蠟燭の「髙澤商店」がある七尾市の一本杉通りや、「能登島自然の里 ながさき」の周辺など、各所が甚大な被害を受けられました。被災地の皆様には謹んでお見舞い申し上げます。


本特集では地域の食文化を脈々とつないできた方々への敬意と、復興への願いを込めて、取材当時のエピソードをそのままお届けいたします。

[復興応援チャリティー企画]能登&加賀に捧げるランチ会を開催!詳細・応募はこちら>>

【能登】気鋭の料理人がナビゲート 七尾近郊の隠れた宝探しへ

古の風情漂う七尾市一本杉通り。しばしの散策の合間に、蠟燭店「髙澤商店」を訪れて。

〔旅するシェフ〕アントニオ・イアコヴィエッロさん
イタリア・カンパーニア州出身。2021年に来日、同年10月「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」ヘッドシェフに就任。日本の食材を駆使した新イタリア料理で高い評価を得、「ミシュランガイド東京 2024」で1つ星、「50 Top Italy 2024」で2位。

故郷の魅力を洗練の技で伝えるということ
一本杉 川嶋 川嶋 亨さん

未知なる土地の食材を知るには、その土地の達人、すなわち料理人に案内を乞うのが道筋というもの。アントニオさんにとって初めての北陸・能登の旅でその役を快く引き受けてくれたのは、「一本杉 川嶋」の川嶋 亨さんです。

「一本杉 川嶋」の川嶋 亨さんによるだしの引き方をじっくり観察。余分な力を使わず最後の一滴まで自然に任せて落とすことで、最初に甘み、そして香りが立ち上るだしになる。

川嶋さんは、大阪や京都で修業した後、故郷の七尾で自らの料理店を開きました。江戸の昔から北前船の寄港地であり、さまざまな文化の交錯する界隈として栄えた一本杉通りに構えた店では、能登の食材を使って四季折々の伝統の味を、時に独創的な手法も織り交ぜて提供しています。

「私が子どもの頃はもっと賑やかな通りでした。食があれば人が集まり、地域全体の魅力がさらに増すのではと思っています」と川嶋 さん。

客迎えは「髙澤商店」の和蠟燭で。大きな炎は心を穏やかにしてくれる。

アントニオさんに、まずは日本料理の基本であるだしの引き方を披露します。

利尻昆布を一晩水につけ、火にかけて昆布を揺らさないようにゆっくりとうまみを引き出し、昆布を引き上げたら削りたてのかつお節をたっぷりと加えます。20秒ほどでざるに上げ、最後の一滴が自然に落ちるまで静かに待ちながら、「だしを引くときは優しい気持ちで。それが一番大切だと思います」。

奥能登珠洲の大野炭で焼いたてっぽうかますの椀。幽庵地にはいしりも少々。

アントニオさんも神妙な面持ちで見守ります。「日本の料理は、捨てるものがありません。だしをとった後の昆布は佃煮に、かつお節はおかかとして味わいます」という川嶋さんの言葉に、アントニオさんも「イタリアにも野菜や肉の端材、骨などを使ってじっくりと煮込むブロードという基本の“だし”があり、通じるものがありますね」とうなずくのでした。

極太の「沢野ごぼう」の七日炊き(手前)は、絶滅が危ぶまれている能登野菜のごぼうを7晩かけて味噌で煮含めた伝統料理。奥はかぶらずし。

新鮮なぶりの風味を生かすため、かぶとぶりを別々に漬け込み、供す直前に合わせる。

店の建物は築90年以上の有形文化財。万年筆をモチーフにした外観がユニーク。

撮影/阿部 浩 取材・文/池田愛美

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